立場もキャリアもキャラクターも違うからこそ話す価値がある ガツガツ系ベテラン社長&もくもく系新入り職人の対極トーク
2022.06.30
社内の人にもDerailleur Brew Worksを飲んで欲しい
吉田さん 介護や福祉の部署も、まだまだビール醸造の現場を知れてないっていう課題はあります。工場を大きくして醸造量を増やしたけど、なぜ大きくする必要があったのか、ビールがどうつくられてどう流通していくのか。「Derailleur Brew Works」と「スタンドうみねこ」が社会にとってどんな評価を得てるのか……。もっと全ての社員が、ビールのことを知れるといいですね。飲んでみたいけど飲んだことないって人、いっぱいいると思う!
伊藤さん 社販とかいいかもしれませんね……!
吉田さん そうそう。例えば社販とかね。ヘルパーさんたちっておしゃべりも好きで口コミ力が高いから「うちでこんなおいしいビールつくってんねん」ってどんどん広めてくれると思うよ〜!
伊藤さん 社内で他の部署と顔を合わせることが少ないので、そういう機会が増えるのはうれしいです。
吉田さん 会社全体の取り組みにしちゃうと、どうしても山﨑の承諾が必要になるから、単純に伊藤くんの顔が社内で知れて勝手に周囲がビールを買っていく流れができればええんちゃうかな。なかなかコロナもあるので以前のようにはいかないけど、交流を増やしていければいいよね。
伊藤さん ちなみに吉田さんはうちのどんな商品がすきなんですか?
吉田さん いやあの……、ごめん!私、そもそもクラフトビール自体が苦手やねん!
伊藤さん え〜(笑)!?
吉田さん ごめんなあ(笑)!味が濃くてアルコール度数も高いやつが多いから……。私個人としては、もっとこう、スカッと口当たりの軽いビールがあれば嬉しいです。あ、でもあくまで私の嗜好やからね!
伊藤さん いえ、でも「こういう味があるといいな」っていう意見はたくさん集めておきたいので。ちなみに最近、ドライな風味のビールをつくってみたので、吉田さんの口にも合うかもしれません。ぜひ飲んでみてください。
どーんと表に出す?それとも一歩引く?それぞれの感情の出し方
伊藤さん 「クラフトビールが苦手」ってあっさりおっしゃるところもそうですけど、吉田さんっていつもストレートで底抜けに明るいイメージがあるんですが、感情の出し方ってどうやって意識してるんですか?
吉田さん 思ったことはすぐに口には出すかな。自分でじっくり何日も考えて考えて……みたいなことはしない。「もう!なんでコレがアレが〜!!」ってすぐ爆発します。山﨑にだけね。爆発するとしてもポジション的には山﨑にしか言えないことなので。だから山﨑は大変やろなあって思います(笑)。
伊藤さん 吉田さんの爆発を一手に引き受けてるんですね(笑)。
吉田さん でもね、すぐ終わります。怒りの感情もそうやけど、落ち込むとか、ネガティブな感情はぜんぜん長引かない。私の座右の銘は「期待しない」ってことなんです。口にせず「察してほしい」を貫くのは相手に期待してるってことやん? パッと言った方がすぐ解決できることの方が多いから、私はすぐに言っちゃう。
伊藤さん なるほど……。
吉田さん でも、言える相手かどうかは冷静に判断してるところはあります。なので、けっこう甘え上手なんですよ。甘えるところはキッチリ甘えてます。伊藤くんはどう?
伊藤さん 僕はけっこう、常に平常心を保っていようとするタイプかもしれません。ビール醸造の部門はスタッフが若いですし歳も近いので、絶対的なトップがいないんです。だから運営や醸造に関して、こまごまと議論になることが頻繁にあるんですよね。だから、僕は場が白熱すればするほど、平常心を保とうとしますね。僕の下にいるスタッフふたりが、結構感情が強いタイプなので。
吉田さん うんうん。
伊藤さん 僕とは真逆に近い感情の出し方をされているので、どんなことを考えながら表に出してるんだろうと気になっていたんですが、冷静に甘えられる人を判断されてのことなんですね。勉強になりました……!
今回の対談を終えて
吉田さん 私は構えてないけど、伊藤くんは緊張したやろうな〜!と。
伊藤さん 勤続年数や仕事内容も全然違うベテランの方と、最初は何を喋ればいいんだろうって思ってましたが、いざ話してみるとすごく楽しかったです。今後の課題でもありますが、こうして話すと発見になることも多いので、他の部署の人と交流をより持てるようになりたいですね。
Interview & Text by ヒラヤマヤスコ
Photography by 福家信哉
Illustration by 北川マリナ