加古川・高砂エリアの「まごころ」看板をどう守る?買収された事業所スタッフトーク
2023.12.25
みんな地域の人間で仲がいい、まごころの特徴
楢﨑さん ちがう部署間で仕事の連携が取れるようになってきたのはシクロのグループに入ってからですけど、もともとまごころで働いてる人たちってすごく仲がいいですよね。
中村さん そう!そうなんですよ。ご飯行ったり、飲みに行ったりとかする人もいるし、個人間ではみんな仲がいいんです。だから、今思えばもったいなかったですよね。せっかく個人どうし仲がいいんだから、もっと仕事の面で連携を取っておくべきだったなって。
楢﨑さん みなさん、何がきっかけで繋がってはったんですか。
中村さん 地方ということもあって、結構皆さん住んでるところ割と近いんですよね。あとはほぼメンバーが変わってないんです。やめていく人っていうのはほとんどいない。自分が住む地域に長く根づいて、丁寧に仕事をしていこうっていう意識は多くの人が持っていると思います。なので、数字をきちんと見るようになったとはいえ、なにかを適当にやっていくような仕事の仕方はしてないですね。
互いが互いを魅力的に感じていること
楢﨑さん 僕、中村さんに聞きたいこといっぱいあって。本当に、自分の仕事のお手本にしている人の1人なんです。いつもアクティブで前向きやし、いろんな問題が発生してもヒョイッと乗り越える。さらに、誰に対しても、穏やかで冷静に接することができるじゃないですか。何を食べたらそうなるんですか?
中村さん 何食べてるっていうと……パンかなあ。
楢﨑さん パン(笑)。
中村さん うふふ、パン好きなんです。えっとね「ヒョイッと乗り越える」というところは、じぶんは絶対ひとりじゃない、周りが助けてくれるのを知ってるから乗り越えられるんやと思います。それは仕事に限らず、外との交流で生まれる横のつながりとか。
楢﨑さん 地域の劇とか、地域のケアを考える会合とか、積極的に参加されてますもんね。
中村さん いろいろ誘っていただくところに顔を出して交流していくうちに、新しい人と繋がって自分の世界が広がっていくじゃないですか。そうすると、お仕事でも繋がれるんですよね。どこそこの病院やったり、あそこの連携室であったり……とか。
楢﨑さん なるほど〜。多分ね、目の前の業務が、安心してみんなが暮らすための地域の土台になってるって自覚がちゃんとあって。さらに中村さんは、ビジョンがあるというか。大きい目的をたぶん持ってはる。だから業務もそうやし、いろんなものと繋がっていくための幅広い活動ができてはるなって思います。だから常にフラットなんですよね。
中村さん きっと、なんでも楽観的なんですね、心配性じゃないんで。「なんでもなんとかなるか」って。業務の中でも、いろんなことが起こりますよね。事務的なことの処理のことでもそうですし、利用者さんのことでもそうですし。 なんとかなるから、仕事の時もあんまりバタバタしないようにはしてます。
楢﨑さん 僕もそうありたいとは思ってるんですけど、全然できてないなあ。中村さん、僕のことどう思ってますか(笑)。
中村さん あっはっは!えー!?
楢﨑さん (笑)。
中村さん それこそね、楢﨑さんは以前、よその事業所の理学療法士さんでうちからよくリハビリの依頼をしてたんですよね。 楢﨑さんのお仕事の様子で1番印象的だったのが、とある終末医療を受けている方のところに行っていただいてたこと。なかなかもう、起き上がることができないような方やったんですけど、リラクゼーションのために身体を触ったり、いろんなお話をされるその空気感がとっても素敵で。
楢﨑さん わー、うれしいです。
中村さん いつも隣の部屋で、利用者さんの奥さんと2人で「この空気、この雰囲気いいよね」って話してたんです。リハビリって、できなかったことを正すだけじゃなくって、 最期に向かって行ってはる人にいい時間をつくることもすごく大事。楢﨑さんは利用者さんにすごくいい雰囲気をつくって笑顔を引き出すすごい人やって思ってました。そうそう、人たらしなんですよ、楢﨑さんは。
楢﨑さん それは中村さんでしょ!(笑)
中村さん ね、こういうあしらいもうまいですよね。上手にみんなを巻き込んで、いい結果を出せるんですよ。だから、なんかしんどいこと頼まれたりとかしても、この笑顔にほだされちゃうんです。
楢﨑さん いやいやいや、僕は手のひらで転がされてるだけですよ!いつも。
中村さん あと、髪の毛くるくるなのはどこまで伸ばす予定ですか?
楢﨑さん ええっ!?髪の毛ですか。うーんどこまでかわからないですけど、僕はみうらじゅんが大好きってことしか言えない。
中村さん みうらじゅんリスペクトなんや!彼はもっとモジャモジャですもんね。せっかくやったらもっとみうらじゅんに近づけて欲しいですね。
買収されてよかったからこそ、まごころを次につなげたい
楢﨑さん 加古川や高砂のこの地域っていうのは、かなり人口減少がすごく進んでるじゃないですか。とくに高砂なんかは激しく落ち込んでる。
中村さん でも、競合になる事業所はいっぱい増えてきてますしね。
楢﨑さん いまのうちにまごころはしっかり土台をつくっとかんと、本当に生き残られへんっていう危機感はあって。この地域にどうやって貢献できるのかっていうのを、シクロのグループに入ってより考えるようになった。あたらしい事業を立ち上げたり、新しいところと協力したりして、安心してみんながくらしていける医療や福祉を継続して提供できなあかんなあと。
中村さん 目標や目的を見失わずに進んでいくために、みんなで協力して一緒に進んでいけるっていうところに私は力を入れたいなと思うんですよね。そういうことに気づかせてくれたという点で、私たちは本当に買収されてよかったなって思います。
楢﨑さん そうですね。そう思います。
中村さん 介護や福祉って毎月決まった仕事で、もうずっとこのままやと思ってたんで。自分たちでサービス内容や会社の経営自体を上向きにしていくっていう、創造性のある仕事ができるんだっていう発見があったんですよ。
楢﨑さん できるようにしてもらえているからこそ、責任はしっかりと果たして、結果を明らかにしていかないとなあって思うんですよね。
中村さん 正直、仕事量は増えたんですけど、めっちゃ楽しいです。
楢﨑さん 楽しい、うんうん。わかります。
中村さん なかなか距離があるんで頻繁には難しいですけど、大阪の事業所のみなさんとも交流していきたいですね。お会いしたい方がたくさんいますし、まごころのことも大阪のみなさんに知って欲しいですね。あとは、みなさんとおいしいお酒を飲みにいきたいですね!
楢﨑さん あはは。僕は飲めないので、ドライバーやりますよ!
Interview & Text by ヒラヤマヤスコ
Photography by 福家信哉
Illustration by 北川マリナ