ぼくのかんがえたさいきょうのさかのうえおんがくさい2024 ヤマザキアキノリ
2023.05.02
坂ノ上音楽祭という、フリーの野外音楽フェスを先日の4月8日、9日と2日間開催することができた。
SPECIAL OTHERS、奇妙礼太郎、yonawo、七尾旅人、、、僕たちのビール工場から坂を登りきった先にある公園で、高らかに、清らかに。
“てんしば”で聴きたいと思う10組のアーティストにお声がけをし、快諾を得て、僕らはビールと、めちゃくちゃにハッピーなフードでアトモスを作り、マーケットで出店してくれたみなさんが、楽しい時間にまた新たな色を加えていってくれた。
子供連れの親子も、通りすがりのおっちゃんも、また、このフェスを、このアーティストを目当てにやってきてくれた、感度の高いおしゃれピーポーたちも。野外カラオケ時代(※1)からの兵(つわもの)ネイティブダンサーのばあちゃんも、じいちゃんも。
みんなが思い思いに、芝生に寝転び、酒を呑み、ごはんを広げて、音を吸い込み、楽しんでいる風景がそこにはあった。
控えめながら当たり前のようにステージ横に鎮座する通天閣が、なんだか謙虚で慎ましく、美しく感じて。いつもと違う顔を見せていて、ちょっとヤキモチを焼いたりもしたけど。
坂ノ上音楽祭の公式アカウントを入れていた僕の携帯は、2日間も其れ以後も通知音が鳴りっぱなしで。映像も画像もコメントもDMも、ポジティブな感情と一緒にいっぱい送ってきてくれた。
ああ、来年も、またここでみんなと会いたいなあ。
そう、完璧なイベント運営のためには。受験の翌日には、もう来年の受験の準備が始まっているかのように。坂ノ上音楽祭2024の準備はもうすでに始まっているのだ。いざ戦いの日々で。
今度は戦争だ(※2)。
来年のことを言えば鬼が笑うと言うが、笑いたいやつは笑わせておけばいい。ぼくがかんがえた、さかのうえおんがくさいさいきょうのらいんなっぷ2024をみなさんに披露しようと思う。
※1 1970年代から天王寺公園沿いにテント屋台を立てて、青空の下にスピーカーを出し、野外でカラオケができるシステム。レーザーディスクなので、店主の厳選された曲しか歌えず、レパートリーには店主の趣味や個性が出るため、歌いたい曲に合わせ店舗を選ぶ必要があった。アンプの雑な縦積みは、さながらジャマイカのサウンドシステムの様。1曲100円で歌えて、トライバルでプリミティブでジェンダーレスなコウメ太夫のプロトタイプダンサーが、歌に合わせて踊ってくれた。2003年に不法占拠を理由に行政が撤去。姿を消した。
※2 家なき子映画版のキャッチコピー。エイリアン2でも同フレーズを用いられたため、映画ファンの間では、どちらが本家か論争が繰り広げられているらしい。家なき子は野島伸司企画、初代天才子役安達祐実主演のヒットドラマ。主題歌は中島みゆき。安達祐実が切り拓いた道を、芦田愛菜が着実にパシフィック・リムまで踏み固め、歩いてきたのだ。
今年の傾向で言うと、午前中にスタートダッシュで、まったりながらも元気なチューンを。
昼間にピーク、1つ目のヘッドライナーでゴール前を蹴散らせて。そして夕方、2つ目のヘッドライナーで疲弊したゴールキーパーを吹き飛ばすシュートでネットを揺さぶる。そういうタイムテーブルのハマり方だった。
じゃあ来年はトップバッターには誰を持ってくるのか。
令和6年の切り込み隊長。
1. ビヨンセ(初)
ここは、ビヨンセを推したい。デスチャ(※3)大好きなんです。ホイットニーとかもそうですけど、幼少期から聖歌隊員で鍛えた声量。デビューしてからも圧倒的な声量はそれだけで一つの楽器です。尾崎紀世彦も松崎しげるも、ワンブレスで歌い上げるからバラードもドラマティックになる。
民謡上がりの演歌歌手はやっぱりうまいもんなあ。三橋美智也も、RGのモノマネで再ブレイクを果たした細川たかしも、『イエローサブマリン音頭』で一世を風靡した金沢明子も。声量で聴かせる歌手はみんな民謡出身。民謡は日本のゴスペルでありゴスペラーズですよ。
アメリカでスーパーボールっていうアメフトの祭典?試合があって、そこのハーフタイムショーがとにかく華やかで、楽しいんですけど、THIS IS FESTIVAL。それのビヨンセが出てくる年がまあ絢爛です。渡辺直美の初期モノマネは多分スーパーボールのときのビヨンセでブレイクしたんじゃないかなあ。確か。
改めてスーパーボールの動画、見返して、これ、そのままてんしばに持ってこれるで。ステージの背景に通天閣が見えていました。僕には。
フェスは始まったばかりなのにいきなりハーフタイム。
ここでビヨンセの後塵、畳み掛けるようにアイスランドの歌姫、先日の来日公演お疲れ様でしたと、ビョークを持ってきてもいいんじゃない?と思ったのですが。僕も東京公演見に行ってきたし。
でも予算の都合というものがありますので、断念することにします。外タレは一組までとしたいです。
※3 デスティニーチャイルドはソシャゲ。デスティニーズチャイルドはビヨンセの母が聖書から引用して名付けたR&Bのグループ。『サヴァイバー』が有名。2000年代のホステスとかキャバ嬢はルーズマイブレスを着ボイスにしていた。結構な頻度で。
2. FOX CAPTURE PLAN(2)
でいきましょう。
乾いた喉を潤したいのでお酒を調達に向かうのですが、多分ビールブース、行列ができてなかなか買えないんですよね。
きっと、当日。そうあってほしい。
で、仕方なく家から持参してきた甲州産の白ワインを開けちゃいます。キリッとした白だったんですけど、雑に保管してたからちょっと酸が出てきて。でもそれも重ねる年の味ってもんだよね。人間もそうありたいね。俺たちも、だなんて。
僕が史上最高にリピート再生したドラマ、大豆田とわ子と三人の元夫の脚本家、坂元裕二の代表作の一つ、カルテットの劇伴で知りました。SAJ(※4)の三段活用で有名なあのドラマです。
大豆田とわ子は、伊藤沙莉のナレーションがすごく大好きで、僕は酔ったらすぐモノマネをするぐらいには大好きで、好きすぎて伊藤沙莉が売れていない時代のヌードになってる映画を配信で漁ってしまいました。ごめんなさい。
ニュージャズ?スムースなインスツルメントもいいよね。
あ、あれはフレンズのおかもとえみがステージに来たじゃないか。
そして、『甲州街道はもう夏なのさ』(※5)を聞きながら、ああ、日本のワインもなかなかいいよね。うだるような暑さをキンキンに冷えた白でごまかしながら、二人の気怠い夏が、今年も過ぎていくんだなあ。まだ春だけど。
あ、甲州街道って東京にあるんですね。山梨だけだと思ってた。調べてから書いたら良かった。そうだよな。山奥で職質とかされないよなあ。
※4 興味のない人からの告白って夢の話と一緒でしょ。(返事は)『へー』でしょ。別府くんに告白されても真紀さん困ると思うよ。“SAJの三段活用”になりますよ。というドラマ・カルテット内の名台詞。
片想いの法則である“SAJ”「(S)好きです」「(A)ありがとう」「(J)…冗談です」。好きです。の返事が、脈のないありがとうの返事だった場合、このJ(冗談です)でS(好きです)は無かったことになるからに由来する活用。というやりとりのあと、寝てるヒロインに冗談です。ってつぶやく高橋一生が尊い。ヘブンズ・ドアー。
※5 ランタンパレードの名曲。ゆうべは美しい月明かりの下で職務質問を受けたのですから始まり、変な薬をやってるんじゃないのかで終わる歌詞、まるで西成と天王寺の日常を切り取ったと言っても過言ではない描写なのに、メロディーラインとアレンジがうちゅくちい。大貫妙子の『くすりをたくさん』を思いっきりサンプリング、リスペクト、パクった?と言われたりしたが、まあとにかく名曲。RCサクセションの『甲州街道はもう秋なのさ』のアンサーソングだと想像してる。
3. 細野晴臣(初)
坂ノ上音楽祭は夕暮れに沈みゆく夕日と通天閣を眺め、終わるフェスなので、先述しましたが昼間に一度目のヘッドライナーがやってくるんです。そう、ここで『風の谷のナウシカ』(※6)の作曲家、細野晴臣先生を招聘したいです。
今年、僕の大好きなサンデーカミデ&奇妙礼太郎が出てくれることが決まったとき、これは天才バンド再結成とかなるんじゃないか?
って妄想を膨らましてました。
もし、もしもですよ、誰かと誰かをくっつける復縁屋として坂ノ上音楽祭は存在意義を持っているとするならば、当然の帰結ですが、じゃあ、来年ははっぴいえんどが再結成するんじゃないかなあ。(個人の妄想です。フェスの効果には個人差があります)
松本隆先生も関西にお住まいだというし。サプライズで登場してくれたりなんかして。
聞いてください、はっぴいえんどで、『春よ来い』。
『北京ダック』をマリンバ編成でやるのもいいよなあ。この時間帯、てんしばは中華街となるのです。A day in chinatown.
でも、です、で語尾を締める歌詞が好きなんです。くるりの『東京』、椎名林檎の『幸福論』、だけどだけど、ほんとは、はっぴいえんどで、『夏なんです』。
※6 フリーになりたての宮崎駿がアニメージュで連載していた漫画のアニメ映画化。高畑勲とのコンビはカリオストロの城以来。二馬力が後に生まれ、そしてスタジオジブリが産声をあげていく、その黎明期の名作。シンボルテーマソング、風の谷のナウシカは、松本隆作詞、細野晴臣作曲、安田成美歌という実質はっぴいえんどである。この頃はまだ、声優をプロの人使ってたのになあ。島本須美とか。
4. 相対生理論(10年ぶり3回目)
予算と外タレは年1組という縛りの元、ビヨークの招聘に失敗したこともあり、やくしまるえつこに与えられた役割は大きいのであった。和製ビヨークといっても過言ではない、世間の評価を固めたのはそう『わたしは人類』であろう。
あと、ソロとバンドを行ったり来たりという、アーティストの意向を全く無視したセットリストにしてしまって申し訳ないのですが、相対性理論の『夏の黄金比』、やってほしいです。『ミス・パラレルワールド』とかされたら、白ワインが残ったからだと頭がもうぐわんぐわんと揺れがおさまらない気がします。
ボクらの時代は、カラオケで相対性理論歌う女子は高確率ですぐ落とせるけどメンヘラだともっぱらの噂でした。
あれどうやったんやろう。ほんまのところ。
ああ、もう1日目が終わってしまいます。初日最後の人選。
5. Tempalay(初)
で。
細野晴臣つながりで、ティン・パン・アレー(※7)再結成か、みたいなこと考えて気がついたんですけど、もしかしてティン・パン・アレーからTempalayって名前取ってるのかなあ?と思っちゃいました。
『革命前夜』、『そなちね』、『どうしよう』。AAAMYYYちゃんがしっかりと軸を作ってくれてるからどっしりサイケデリックでもポップでドープな音になるんでしょうね。佇まいも。女子キーボード、シンセのバンドってそうなるのかなあ。
令和の原由子(ex.サザンオールスターズ)ですね。エイ坊。
1日目がロックやポップなカラー。そして2日目はヒップホップやテクノに寄り添ったカラー。
そんなタイムテーブルいいですよね。
※7 ティン・パン・アレー前身バンド名はキャラメルママ。京都に同名の荒井由実推しのバーがある。『ひこうき雲』のアレンジと実質プロデュースは超有名。『ルージュの伝言』、『やさしさに包まれたなら』のリバーブのかかったアコギのカッティングは初夏の朧。シティ・ポップの源流。
6. 渋さ知らズオーケストラ(14年ぶり32回目)
やっぱり祝祭(フエト)(※8)ですから。大阪だと維新派(※9)、関東だと渋さ知らズオーケストラだと思うのです。
子供泣くかもしれないけど、唐十郎とか天井桟敷(※10)とかのアングラカルチャー、アングラジャズを通過してきた彼らの音は、まさしく西成ジャズ、青空カラオケ(※11)の原住民舞踏とも言えるプリミティブなダンスが数十年にわたり伝承されてきた天王寺公園に源流を同じくして今一つになる気がするんですよね。しらんけど。
昔白塗りで裸の女子がバックダンサーやってて。ドキドキしながらライブ見てました。ありがとうございます。
最後は『本多工務店のテーマ』で終わってくれたら今日も大漁です。
アーティストは撤収のときに観客席横を通り抜けて帰らないといけないんです。公園の構造上。
そこに魅力を感じれる人。オーラを操れる人、自らステージを客と同じ目線に下げれる人。
がてんしばに向いてる人なのかなあ。
七尾旅人の『どんぐりころころ』キャッチボール(※12)のような。
※8 フエトって言い方がもうどうにも村上春樹
※9 維新派とは2010年当時の大阪府知事橋下徹と自民党を離党した大阪府議市議等によって結成された地域政党。ではなく、1970年に大阪で活動を開始した、独特の劇形態を有する劇団。座長の松本雄吉の死去に伴い2017年に解散。維新派の最も大きな特徴として、巨大な野外劇場を建設するのがなんというかバブル感がある。この作業は、役者、スタッフの総勢50名ほどが50日〜60日を費やして自分たちの手で行うストロングスタイル。 何もない全くの更地の状態から、舞台、客席、宿泊場所までを作り、上演時はカーニバルの異空間を作り上げる。公演後は釘一本残さず、再び更地に戻すという徹底ぶり。会話でなく単語を変拍子のリズムに乗せる劇スタイルは「ヂャンヂャン☆オペラ」と名付けられ、由来は大阪新世界横の呑み屋街ジャンジャン横丁だそうで。まさに天王寺スタイル。
昔、僕が大学4回生のときに天満橋で飲んでたら松本雄吉に、このままいくとおもしろくなりそうな子やね。と言われたことがあって、ああ、今はおもしろみもない男なんだな、とすごくへこんだ思い出があります。不遜な男ですねつくづく。
野外公演の時は、屋台村も同時に作られ、食べ物や飲み物などが販売されてて、それがまた祝祭(フエト)な感じだった記憶がある。舞台を0から組み上げるそのスタイルから、技術力と創造力は高く他分野にも活用されていた。
関西の店舗内装にもよく元維新派や維新派の大道具組が作った関わったものがよくあって、空堀商店街近辺で飲むと真偽のわからない、これ、維新派に作ってもらってんというオーナー自慢トークを聞きながら呑まされることが多々ある。
※10 唐十郎は大鶴義丹のお父さん。寺山修司の天井桟敷とよくバトっていた。アングラ演劇の始祖。状況劇場の主催。見世物小屋的要素を取り込み、それまでの近代演劇が排除した、土俗的なものを復権させたのが一つの要素で、独特の世界を作り上げていて、新宿、ジャズ、エロがキーワード。
※11 天王寺の野外カラオケ 前述参照。カラオケ屋台に隣接していたおでん屋ではいろいろなブツが手に入っていたらしい。
※12 坂ノ上音楽祭2023、日曜日のステージで七尾旅人が曲のリクエストを観客に尋ねると、壮年のおじさんが、どんぐりころころを歌ってくれとレスポンス。七尾は即興でディープな比喩を含んだ替え歌で『どんぐりころころ』を歌って見せて、喝采を浴びた。
7. BUDDHA BRAND (3)
この前、架空のプロレスラーの名前を考えてくれと仕事で言われたことがあって、人間発電所って名前ってプロレスぽいなって調べてたら、そうだ、『人間発電所』いい曲だよなって思い出して漁ってました。
日本のヒップホップの僕ら世代の黎明期ですよね。僕はソウルセット(※13)のフロウの単調さに、念仏の抑揚を重ねて
心地よかったのでそっち派です。
ちなみに、プロレスぽい名前はオナニーキリングマシーン人間自家発電所というキャッチコピーになりました。
※13 TOKYO No.1 SOUL SETの略。日本のヒップホップバンド。1990年代初めに結成。インディーズのナツメグ・レーベルから数枚作品をリリースした後、1994年江戸屋レコードよりメジャーデビュー。 BIKKEの語りかけるようなラップが特徴。461個の弁当で有名な渡辺俊美も所属。でもBIKKEなんだよなあ。『真昼の完全試合』をVHSで擦り切れるまで見てました。『やあ、調子はどうだい』。
8. LAUSBUB(初)
テクノって密室とか、ヘッドフォンで成分一つも逃さず全部聞いてやる、と思う曲と、空の下で開放的に聴きたい、雑と言われても。と思う曲と2極化すると思うんですけど、LAUSBUBは生演奏というかバンド編成的であるから、2名やけど。空の下で聞きたいんです。
編成の不自由さをテクノロジーで補い続けるのがかっこいいと思うので。人力の足りないトラックは、機械に任せてしまえというYMOから連なる流れ、もしかしたら逆のアプローチ?
あと、彼女らの音を細野氏に聞いて、なにかが産まれるといいなあ、とか、なにかが再結成、テクノロジーを駆使して、なんて。
というのは、妄想の範囲なので許してください。
あ、『Sports Men』(※14) のカバーに本家が乱入ってのも見たいなあ。
※14 細野晴臣の1982年の曲。タンタンタンと刻むリズムにシンプルなシンセと英語の歌詞。ランニングにまさしくぴったりな、運動苦手だけどスポーツマンになるんだ、というサビが心地よいミュージック。それはいいカバーになることでしょう。
9. 羊文学(3)
声も音色も大好きです。彼女らを呼べないならアメリカからインディーロックの孤高ヨ・ラ・テンゴ呼びます。
ギターの正しい歪ませ方とリバーブの使い方を悔しいぐらいに知ってる。白昼夢がここにある。溶けちゃう。
『あいまいでいいよ』our hopeはここにある、『光るとき』をここで聞かせてください。
今日のドライビングミュージックは、『電波の街』です。でんでんでんぱ、でんでんタウン(※15)
※15 でんでんタウンは、大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目から5丁目周辺にかけて広がる電気街。また、オタク向けグッズなどを取り扱うサブカルチャーの街でもある。堺筋の東西およそ1kmに渡るアーケード沿いに150を超える店舗からなる大阪でも有数の商店街。古くから電気街として発展し、現在ではマンガ、アニメ、ゲーム、フィギュア、トレカなどといった様々なオタクアイテムを扱う店舗が集積し、西日本最大規模の電気街&オタク街を形成している。たぶん羊文学はここを指して電波の街という曲を作ったのだと思う。しらんけど。
10. ベッド・イン(6)
先日に東京の大資本に呼ばれて、へいこら新宿で打ち合わせをしたあと、小腹がすいたので、四谷の小洒落たナチュールワインと中華のお店へ。
その店長が教えてくれたスナックがおすすめらしいので、すこしばかり呑み直そうと向かうと、カウンターの中にいた妙齢の女性2人組が、ベッド・インだったんです。今は月一ライブだそうです。活動ペース。
濃いめのハイボールを二杯作ってもらって、マドラーがなかったので指でかき混ぜてもらって、当然だけど混ざりきってなくて
アルコールが下に溜まっていたのだけど。でも彼女が大好きだという、人間椅子とあぶらだこが好きな人に悪い人はいないし、人間椅子を発掘した
イカ天(※16)はやっぱり審美眼がしっかりしてた番組だったんだよ、って死んだばあちゃんに伝えたかったです。
そのまま『ロンリー・チャップリン』(※17)を3人で楽しく歌って四谷の夜は終わったのでした。
僕ギター・マガジンで和嶋さんのコラムか記事読むの好きでした。プレイヤーだったかなあ。結局音符は読めず、タブ譜しか読めない人生でしたけど。
でも音楽は読むものじゃなくて感じるものですよね。また行きたいなあ。四谷三丁目。
ああ、2日目はヒップホップのラインナップにするはずが、ヒップでキッチュになっちゃいましたね。まあいいや。
マインドがヒップでホップならいいんですよね。
ほな、また来年。ほんまかどうか、しらんけど。
※16 『三宅裕司のいかすバンド天国』(みやけゆうじのいかすバンドてんごく)の略。TBSで放送された深夜番組『平成名物TV』の1コーナーである。1989年2月11日に始まり、1990年12月29日に多くのバンドを輩出して幕を閉じた。その後、2007年12月30日に「あの伝説の番組再び!”イカ天2007復活祭”名物バンド激レア映像 今夜限りの大放出スペシャル」と題し、17年ぶりに復活した。アマチュアバンドが登場し、審査員によってチャレンジャー賞バンドが選ばれて前回のイカ天キング(チャンピオン)バンドと対決して勝った方がイカ天キングとなる。5週連続でイカ天キングを防衛したバンドはグランドイカ天キングとなり、メジャーデビューが約束される番組スタイルが好評だった。フライングキッズもブランキージェットシティも、たまもBEGINもリトル・クリーチャーズも人間椅子もマルコシアス・バンプもみんなみんなイカ天出身。
※17 ホイットニー・ヒューストンのデュエット曲に酷似しており、盗作ではないかと疑惑が出ていた鈴木聖美とラッツアンドスターの1987年リリースのシングル曲。姉と弟の定番スナックデュエットソング。ちなみにこの後出るシングル、TAXIも歌い上げ系の名バラード。酒焼けしてなければ連続で歌いたい。
PROFILE
山﨑 昌宣
株式会社シクロ代表取締役 / シクロホールディングス株式会社会長
Derailleur Brew Works代表
大阪府大阪市出身2008年大阪市内で介護医療サービスの会社「株式会社シクロ」を発足。2018年からは趣味が高じてクラフトビール「Derailleur Brew Works」の醸造を開始する。自転車競技の実業団にも所属するロードバイク好き。異業種の出会いこそが自らが強く&面白くなれる道と信じていて、人との繋がりを大事にしている。口癖はネクストとステイチューン。
HP : Derailleur Brew Works
Illustration by hina