やっぱり手に職は強し!
シングルマザーで介護職をがんばる母同士ほろ酔いトーク
2023.01.31
ひとりでも生きていくために、守りたいものを守っていくために、手に職をつけるってやっぱり大事。今回は複数人のお子さんを育てながら介護職として働くふたりのシングルマザー同士によるトーク。スタンドうみねこでビールを飲みながら、いままでのこと・これからのことを語り合いました。
PROFILE
高野 知子さん
シクロケアプランセンター
大阪府出身。2019年入社。デイサービス勤務をきっかけに介護業界へのキャリアをスタート。一男一女のシングルマザー。子どもの影響で米津玄師とK-popにハマリ中。座右の銘は「なんとかなる」。
東川 雅代さん
シクロつるみばし
大阪府出身。2021年入社。訪問介護事業所のサービス提供責任者として働いてきた。娘3人を育てるシングルマザー。「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」という樹木希林の言葉が座右の銘。
浮気にギャンブル、それぞれの離婚のきっかけ
高野さん あんまりこんな風にお話する機会ってなかったので、なんか新鮮ですね。しかもシングルマザー同士って。なにから話したらいいんだろう……うふふ。
東川さん シングルやとか聞かれない限り答えないし、そもそも聞かれないですもんね。
高野さん ちなみにご離婚っていつされたんですか……?
東川さん うーんと、16年前ですね。一番下の子が2歳の時かな。
高野さん お子さん3人いて、しかもまだ小さい時に離婚するって大変やったんちゃいます?
東川さん 当時はそうですね……!うちの離婚の原因は元夫の浮気なんですけど、まあ、もう許せなかったんですよ。人間的に嫌いではなかったけど、夫婦関係を続けていくことが気持ち的に無理だった。
高野さん わかる〜〜!!私の場合は元夫のギャンブル好きが原因なんですよ。
東川さん パチンコ?
高野さん スロットですね。デート先でも旅行先でもスロットを打ちに行くような人でした。ただ昔って、今とは比べ物にならへんくらいパチンコ屋さん・スロット屋さんってあったし、もっと一般的な娯楽やったじゃないですか。だからそこまでギャンブル好きやって知らずに結婚して、で、借金が発覚するっていう……。
東川さん あー……。
高野さん 子どももまだ小さかったし、その時は夫も「もうギャンブルはキッパリやめる」って言ってくれたから、信じ直したんですよね。でも、もう次はないって私は決めてて。そしたら3年後に借金がまたあるって言い出して。心の底から嫌いにはなられへんかったけど、私の中での最後のラインを決めていて、そのアウトの線を越えたから、もうこれで終わろうって。怖くなっちゃったんですよね。
東川さん 浮気とギャンブル癖はほぼ治らないですよね。私のところも結婚前からその気はあったんですよね。私と付き合ったのをきっかけにちゃんと精算したと思ってたんですけど。(笑)
高野さん どなたかいはったんですね。
東川さん しかも蓋開けたら何人かいたんですよ。誰とどこまでどうなってるのかはわからへんかったけど。それで、離婚するかしないかみたいな話になって、私言うたんですよ。「おかあさんでおらせてくれるなら離婚しない」って。
高野さん どういうことですか?
東川さん やっぱり子どもが3人いてるから考えるじゃないですか。だから、もう子どもたちを育てる母としての役割だけに特化させてくれるなら、離婚しなくてもいいやって。でも、元夫は、それは嫌やって言うんですよ。それやったら気持ち悪いからすみませんって。
高野さん 「いつまでも夫には女性として見られたい」っていうんじゃないんや……!
東川さん いやいや、この状況で「お母さんでおられるのは嫌」って、どういうことやねん!って感じじゃないですか?厚かましい〜(笑)。
高野さん (笑)。
東川さん でも、子どもとの関わりを一切切るんじゃなくて、親としての関係は続けていこうって話はしましたね。夫婦ではなくなるけど、それは親の事情であって子の事情ではないですからね。
高野さん そうですね。うちもそうです。子どもたちが会いたいなら、私の都合でその関係を断つのはちょっと違うなとは思いますね。
「介護の仕事をはじめたから離婚できたのかも」
高野さん 介護の業界に入ったのはなにかきっかけがあったんですか?
東川さん きっかけっていうと……いま、介護職として7年、「サ責」(※)の仕事について4年くらいなんですけど、その前はデータ収集や事務職をしてたんですよ。やっていくうちに毎日変化のある仕事に就きたいって思いはじめてきて。もっと人間関係のやりとりをしたいなって感じたし、現場でも若い子が入ってくるなかで、50歳・60歳になってもここにおれるか?って。
高野さん うんうん。
東川さん それで介護やったら、仕事内容はその日によっても変わるし、やっぱり資格は強いじゃないですか。食べていけるやろうし。それで「実務者研修」の資格をとりに学校行ったんですよ。ただ、キャリア自体はほんとにバラバラで。やっぱり子どもが小さいときって融通の効く仕事ばっかり探すじゃないですか。
高野さん 急に仕事休まなあかんとかね。
東川さん だからいろんな職には就いてましたね。高野さんは?
※「サ責」 = サービス提供責任者
適切な訪問介護サービスが提供できるように管理・調整を行う役職。利用者や家族との連絡、ケアマネジャーとの連携、訪問介護計画書の作成、ホームヘルパーの業務管理や育成などを行う。
高野さん うちは父の脳梗塞がきっかけなんですよ。家で母が在宅介護することになって。私は実家に近いところで、結婚して家庭を持ってたんですね。だから「お父さん家で看てあげたいけど不安やねん。どうしたらいいんやろう……」って母から言われて。なんにせよ知識がないとあかんから、勉強するために学校に通いはじめた感じです。
東川さん じゃあ特に、自分の仕事にしようとかもなく?
高野さん うん、当時はね。専業主婦やったし、自分は子どもをひとりでよぉ育てられへんと思ってましたし。でも、そこから偶然が重なるんですけど、その学校を勧めてくれた知り合いから「デイサービスの仕事手伝ってくれへん?」って言われて、介護のパートをはじめたんですよ。そのタイミングで元夫の借金が発覚して。
東川さん あら〜。
高野さん そしたら2日ほど行った実習先からも就業の依頼がきたんですよ。働き口がふたつになったんですね。父の脳梗塞が最初でしたけど、私でもいけるんや、働けるんやって自信に繋がりましたね。介護で職を得てなかったら、離婚に踏み切れへんかったんちゃうかなあ。働けてよかったなって思いますね、ほんまに。
やりがいもあって家庭の事情もわかってくれる職場
東川さん 介護系って、シングルマザーも多いんですかね。
高野さん いちいち聞いたりはしませんけど、ヘルパーさんは多いんじゃないかなあって思いますね。需要もあるので就職の窓口はたくさんあると思いますし。
東川さん シクロに入ったきっかけはなんだったんですか?
高野さん 前職で介護職兼務の事務員をしてたんですけど、身体を壊してしまって……。転職先を探すにあたっていろいろ見ていたら、シクロを見つけたんですよ。最初は「本社がきれいでいいな」って思いました(笑)。実際働いてみると、家庭のことも配慮してくれはるなあって思いますね。定時でちゃんと上がれるし、事情があったら早く上がれたり、お休みも貰えるし。
東川さん うんうん。
高野さん 東川さんはどうですか?
東川さん 前はシクロよりも規模の小さい会社で働いていたんですが、やりたい動きができなかったんですよね。それで転職を考えてたら、社長の記事を読んだんですよ。「えー、介護やのにこんなおもしろいことしてるんや!」ってびっくりしましたね。こんな会社で働きたいわ〜!って思ったのを覚えてます。
高野さん やりがいもあるし、ちゃんと自分の時間つくれるのはありがたいですよね。
東川さん うんうん、仕事楽しいですしね。