サケノ ツマミニ ナッタラ ウレシイ ハナシ
2024.03.04
n度目の家中華ブーム到来、下村です。
先日、気になっていたお寺に行ってきました。
上新庄の閑静な街並みを歩くとお目にかかれる。
こちらがその瑞光寺。
よく見てください。
なにか違和感が。
ほかのお寺と比べて何やら。。。
わかりましたか?
こちらの山門、とある巨大生物の骨なんです。
奥へ進むとこのお寺のさらなる見所が。
なんとこの橋の欄干も、同じ生物の骨を使っています。
実は山門と欄干、鯨の骨でできているんです。
その名も雪鯨橋(せつげいきょう)。
瑞光寺の住職が和歌山に行脚した際、捕鯨で生計を立てていた村の住民から豊漁祈願を依頼されたそうで。
住職が祈願を始めたところ鯨が獲れる獲れる。
村人がお礼に鯨の骨をお寺に贈ったのが雪鯨橋の始まりとなりました。
本来仏教の教えに背く行為である殺生ですが、不漁に苦しむ村人のため依頼を引き受け、鯨の供養のために橋を造ったんだとか。
世界でも類を見ない鯨の骨を使った橋。
巨大生物の遺骨がこのような形で利用されているのを見ると、
なんとなくモンスターハンターのようなファンタジーな世界を感じられて興奮します。
鯨といえば、下村の好きな食材の上位に食い込んでくることでも有名です。
特に刺身。哺乳類ならではのあの肉肉しい風味は筆舌に尽くしがたい魅力があります。
馬刺しやレバ刺しと同様、イケナいことをしているような根拠のない背徳感がスパイスになっているのではないかと感じております。
海の生物にとっても鯨はご馳走のようでして。
下村は生き物が死後どのような過程で朽ちて無に帰すのかに想いを馳せるのが
冬の夜の楽しみというお年頃なのですが、鯨はその点でなかなか興味深い死後を辿ります。
さあ皆様。深海に意識をトリップさせましょう。
水深数千メートル、
あらゆる方向から加わる水圧、
光も届かぬ真っ暗な深海は食べるものも少なく生物にとって過酷な環境です。
そこへ沈んでくる鯨の死骸。
陸上同様、この肉の塊にサメやヌタウナギなどの動物が群がりバクバク食べていきます。
下村が特に好きなのはこの後のフェーズからです!
肉を喰らい尽くされ、骨だけになった鯨ですが、まだまだ深海生物にとってはオアシス。
骨の内部に含まれる有機物を求めて先ほどとは全く異なる生物(甲殻類やゴカイなど)がわさわさと集まってきます。
有機物とはいえ量が少なくかつ利用しにくい栄養素しか残ってないところを消化していく様は、深海生物のがめつさや貪欲さを感じられて惚れ惚れしてしまいますね。
終いには有機物を分解した後に発生する硫化水素をエネルギーとする微生物が湧いてきて
「化学合成生態系」なる集団を形成する始末。
2013年に海洋研究開発機構が深海で発見した鯨骨からは、
なんと80種類以上もの生物が発見されたそうです。
はぁ、人間はなんて狭い価値観の上で生きているのでしょう。
食べ終わったフライドチキンの骨がとても綺麗なことだけが取り柄の下村も
これには到底敵いませんよ。
こんなことに想いを馳せながら瑞光寺を満喫した次第であります。
鯨の骨もやはり劣化はするようで、
令和への改元を機に架け替えた雪鯨橋は18世紀半ばの架橋から数えて7代目だそうです。
鯨のことを食べるのも考えるのも好きな身として、
今後も続いてほしい伝統だと心から思いました。
面白いスポットだらけですね!大阪は!!
それではまたの機会に。下村でした。
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